この記事では、桶谷式で断乳したわたしの体験談をご紹介したいと思います。
出産同様、母乳育児も十人十色で、親子それぞれ。
わたしも相当悩んで、色んな人のパターンを見聞きしましたから、わたしもこの記事を目に止めてくれた誰かの励ましになればと思います。
わたしが断乳を決行したのは娘のナナが1歳3ヶ月の時でした。
方法はかの有名な「オケタニ式」。
正直な感想としては、「費用はかかったけど、頼ってよかった!」と今でも思ってます。
ちなみにわたしがお世話になったのは浦和の桶谷式母乳相談室です。
もし、桶谷式での断乳を決めたら、自分のスケジュール通りに予約が取れないこともあるので、まずはお近くの桶谷式母乳相談室に電話で断乳したい旨を相談して、予約状況を確認しましょう!
その前に、知っておいた方が良さそうな流れなどはこの記事でご紹介するので、参考にしていただければ嬉しいです。
桶谷式とは?桶谷式の断乳とは?
桶谷式母乳育児ママサポートサイトには以下のように書かれています。
桶谷式母乳育児とは…
助産婦・桶谷そとみ(1913-2004)が考案した乳房マッサージと母乳育児方法で正式には「桶谷式乳房管理法」と言います。
〜中略〜
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は550名。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で皆さまの母乳育児をサポートしています。
桶谷式は、断乳に限ったことではなく、母乳育児に関するトラブル全般に対応してくれています。
わたしが通った桶谷式の施設でも、断乳ではなく、母乳がなかなか出ないという悩みや、張ってしまって痛い、という悩みで来られている方もいたようです。
同じサイトに、断乳を考えているという人向けのQAもありました。
桶谷式の断乳は赤ちゃんの心とからだの発育に合わせて行っていて、ある日突然おっぱいをやめてしまうことではない、ということが書かれています。
子どもから急におっぱいを取り上げてしまうということはしないというのです。
授乳回数を減らすことが難しかったわたしが惹かれたのは、
「親子で満足するまで授乳をして、断乳の日まで、赤ちゃんが美味しいおっぱいを満足するまで飲めるように授乳して良い」
「授乳回数は制限せずに授乳して良い」
という点でした。
友達の勧めもあり、わたしも桶谷式の施設に相談してみようと、断乳に向かうことにしました。
桶谷式で推奨されている断乳時期の目安
桶谷式では子どもの発育状況をしっかり見て、断乳時期を相談できます。
- 1歳を過ぎ、歩行がしっかりできていること
- 体調が良く、おっぱいもよく飲み、離乳食も食べていること
- お母さんのおっぱいにトラブルがなく、体調が良いこと
- 真夏、真冬、梅雨、季節の変わり目は出来るだけ避けること
- 家族の協力が得やすい時期であること
これらの条件に合う時期を助産師さんや家族と一緒に相談しながら見極めていきます。
我が家の場合は、1歳3ヶ月から4ヶ月になる秋の時期、実家に帰省して決行することにしました。
桶谷式断乳のやり方・断乳までの流れ
断乳を決行する日は、計画的に決めていきます。
まずは初診を予約して、母乳の状況を見てもらって、断乳時期の目安として推奨されている項目を確認、そして、希望の時期を相談、という流れでした。
桶谷式の断乳では子どもにも1ヶ月前から断乳することを伝える
断乳決行日を決めるのは、できれば1ヶ月ほど先が良いとされています。
その間に、子どもにも「この日でおっぱいバイバイね」と毎日カレンダーに印をつけながら伝えていくのです。
1歳の子どもがどの程度理解しているのかはわたしのも謎でしたが、子どもながらに何かを察してはくれるんでしょうね。
それと同時に、自分への言い聞かせにもなった気がします。
桶谷式の断乳では授乳頻度を減らす必要がない
授乳回数については、断乳する日までそれまで通り、授乳していいと言われました。
桶谷式では徐々に授乳回数を減らしていく必要がないというのも、大きなポイントで、わたしにはとても合っていました。
桶谷式の断乳では断乳の日の朝はたっぷり授乳する
決行日がきたら、「これでおっぱいバイバイね」とその日の朝に最後の1回を授乳します。
桶谷式の断乳ではおっぱいに絵を描く
最後の授乳が終わったら、子どもに隠れておっぱいに顔を書きます。
乳輪を油性マーカーで塗りつぶすのは少し抵抗がありましたが、思い切ってやりました。
怖くない顔ならなんでも良いらしいのですが、わたしはなんとなく、クマさんにしました。
乳輪を鼻に見立てて、目と耳を描きました。
わたしが桶谷式断乳で描いた絵はこんな感じです。
そして、子どもがおっぱいを欲しがったら書いた絵を見せて、「おっぱいはくまさん(描いた絵)になっちゃったんだ」と言い聞かせて諦めてもらいます。
桶谷式で断乳するための受診回数は?
これはその人の状態によって多少前後するようですが、わたしの場合は合計6回受診しました。
- 初診
- 断乳前日
- 断乳後1回目:断乳当日の翌々日
- (この日だけは子どもは預けて来てと言われました)
- 断乳後2回目:1回目から約1週間後
- 断乳後3回目:2回目から約3週間後
- 断乳後4回目:3回目から約4週間後
桶谷式の断乳で胸の状態はどう変化する?
断乳2日からは胸がガチガチになってなかなかの痛みと戦うことになります。
多くの人が2日目、3日目がピークだと思います。
断乳前の受診時に、搾乳のタイミングもそれぞれに合ったタイミングを指導されるかと思いますが、ポイントは
- 3時間以内で絞らない
- すっきりするまでは絞らない
- 就寝前までは良いが、夜中は絞らない
という点でした。
これを耐え切ったら、3日目の受診で、ヘニャヘニャになるまで絞ってもらえて、一気に楽になります。
大事なことなので、2回書きます、3日目の受診まで頑張れば一気に楽になります!
マッサージ自体もひどく痛いことはなく、本当に助けられました。
桶谷式の断乳でのその他の注意点
- 断乳後3日までは、胸を刺激しないように自分はシャワーだけにすること
- できれば子どもの入浴は他の家族に対応してもらうこと
- 子どもは出来るだけ日中はしっかり遊ばせて夜寝れるようにしてあげること
- 子どもには水分を十分に摂らせること
- スキンシップはたくさんすること
これらを指示されました。
我が家の娘の場合、入浴を他の人に任せられなかったので、そのことを相談したら、水着などで胸を隠した状態で入った方が良いと指導されました。
桶谷式の断乳はお金がかかる?トータル費用は?
わたしが必要になった費用は合計24,750円でした。
<内訳>
- 断乳前に2回受診:初診 5,500円 + 再診 3,850円 = 9,350円
- 断乳後のマッサージ:再診 3,850円 x 4回 = 15,400円
正直安い費用ではないですよね。
わたしも最初は迷いましたが、プロに寄り添ってもらって進める安心感、助産師さんの技術、結果的にトラブルなく断乳できたことなどを考えると、全く後悔はありません。
それどころか、後輩や友人、DWEで出会った断乳に迷っていたママさんなど、複数の人に実際にお勧めしちゃいました。
そのくらい、桶谷式でお世話になって良かったと実感しています。
断乳後の娘の反応と成長
我が家の娘は最初くまさんになってしまったおっぱいを見たときは、キョトンとした顔をして後退りして、そのまま泣きもせず、一人で遊びに戻りました。
これはものすごく意外で、わたしの方がびっくりしたのでよく覚えています。
ただ、初日の夜、夜中に起きてしまった時が最大の戦いでした。
当日、散々連れ回して遊んだので、寝るときは何とか寝てくれたのですが、夜中にいつも通り起きた時に、やはりどうしても欲しがって泣きました。
抱っこしてあやしてもダメで、1時間近く格闘して、最後の手段と思って、もう一度くまになったおっぱいを見せました。
そこでようやく、本当にバイバイなんだと理解したようで、堰を切ったように泣きました。
付き合いで起きてくれたわたしの母と、わたしと、娘と、母娘3代で泣きました。
このとき、一緒にいてくれた母には、自分の子供達3人に加えて、孫の断乳にまで付き合わせて泣かせてしまって、申し訳ないと思いながらも、反対もせず、口出しもせず、ただ寄り添ってくれたことが本当にありがたかったです。
結局娘はそのまま抱っこしているうちに泣き疲れて寝てくれました。
2日目の夜、3日目の夜は目を覚ましましたが、大泣きし続けることなく、ぐずるくらいで宥めれば寝るようになり、4日目、嘘みたいに朝まで寝てくれました。
その日、わたしは1年4ヶ月ぶりに数時間まとめて寝ることができました。
その後も日中思い出したように、胸を見に来ることがあったので、念のため、と思って、1週間くらいはくまをトイレで描き続けましたが、それも10日程度で終わりました。
断乳後は自分の体調にも注意!
断乳後はきっと、子どもの体調にはすごく気をつけると思うんです。
水分は足りてるか、栄養は足りているか。
でも、どうか自分自身の身体についても気を抜かないようにしてください。
わたしは産後、断乳するまで、どんなに寝不足しても身体を壊すことは一度もなかったのに、断乳した途端、ひどい風邪をひき、そのまま結膜炎、副鼻腔炎となだれ込み、年明けにはインフルエンザにまでかかり、春先には妊娠を機に治ったのかと思っていた花粉症やダストアレルギーなどが見事に復活し、数ヶ月体調不良が続きました…。
これもまた母乳の神秘な気がしますけど、やっと寝不足から解放されたと思ったら、体調がボロボロになってしんどさはそのまま継続したので、当時は結構キツかったです。
1歳3ヶ月で断乳した理由
わたしは元々は自然な卒乳を待つのがいいかなぁと、考えていました。
ところが、1歳が近づき、支援センターなどで断乳、卒乳した子の話をちらほらと聞くようになった頃、娘のナナは典型的なおっぱい星人になっていました。
授乳頻度は減るどころか自分の意思で求めるようになってから、逆に増えていました。
夜中もお構いなしで、ちょっと寝が浅くなるとぐずっておっぱいを求めるので、夜中に5回、6回と起きることもあり、新生児期よりも寝不足になっていました。
これが本当に辛かった…。
小児科で検診のついでに相談してみたところ、「月齢を考えても回数が多すぎる、子どもの睡眠にもよくない」と指摘され、さらに悩みました。
自分も辛いし、睡眠不足が子どもの成長の妨げにもなるなら、ここは断乳に踏み切るべきか、と考えるようになりました。
友達に勧められた桶谷式
その頃、近所で知り合ったお友達のところもナナと1ヶ月違いの男の子がいて、同じくおっぱい星人に育っていたので、お互いどうしよう、と悩んでいました。
そこで、一緒に区役所の卒乳教室にもいきましたが、一人ひとりに寄り添うような指導はなかなか難しく、いつまでも授乳頻度が減らせないわたし達にはハードルが高い一般論を教育されて終わりました。
ところがです。
そのお友達が一時帰省して戻って来たら、断乳に成功したというのです。
このお友達に経緯を詳しく聞いたのが桶谷式を知ったきっかけで、彼女もまた友達に勧められたといって、わたしに勧めてくれたのがこの桶谷式でした。
結果的にわたしも桶谷でお世話になって良かったと思っているので、友達には感謝です。
そして、わたしも周りに結構おすすめしました。
おわりに
断乳に踏み切る前は、できれば自然に子どもが乳離れする卒乳を目指したいなぁと思っていた時期もあり、本当にこのタイミングでいいのか、相当悩みました。
ですが、わたしの場合、結果的に桶谷式でお世話になって良かったと思っています。
桶谷式では客観的に子どもが断乳に適した時期に来ているかどうかもプロ相談できるので、母親の都合で一方的に断ち切った、という感覚から少し遠のくことができました。
それも良かった点かなぁと思っています。
そして何より、あの神的な手技に助けられました…。
途中、ガス抜きに絞ったりもしましたが、プロの手にかかると、痛みはないのにびっくりするくらい噴射され、本当に一気に楽になります。
わたしは自分一人では到底絞り切れなかったで、感謝しかないです。
断乳は身体的にも精神的にも辛いことかもしれませんが、終わってみれば一つの通過点で、親子ともに成長する一つのステップです。
色々と悩むのは子どもへの愛情の証ですが、悩み過ぎて身動きが取れなくなっても辛くなるので、そういう時にはプロに助けてもらうのは一つの選択肢かなと思っています。
今まさに悩むような方の参考になれば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。